こんにちは。すえちゃんです。
テート・モダンは、ロンドンにある、近現代美術を所蔵する美術館です。ドラン「ロンドン港」、ボナール「ミルクボール」といった作品があります。発電所を改修した建物で、展望テラスからの眺めは絶景です。
今回はそんなテート・モダンの見どころをご紹介します。
どんなところ?
テート・モダン(Tate Modern)は、イギリス・ロンドンのテムズ川畔、サウスバンク地区にある美術館です。テート・モダンは、テート・ギャラリーの現代美術のコレクションを、テムズ川沿いの火力発電所跡に移すかたちで、2000年にオープンしました。20世紀の現代美術の作品を所蔵していて、ヨーロッパの印象派以降の作品に加えて、アメリカの現代美術も加わった、充実したコレクションとなっています。展望テラスからの眺めは絶景です。
観ておきたい作品5選
テート・モダンのコレクションの中で、おすすめの5作品を厳選しました。
アンドレ・ドラン「ロンドン港」
(1906年、油彩)

アンドレ・ドラン(Andre Derain、1880年-1954年)は、フランスのフォーヴィスムの画家です。作品は、風景、人物、静物などさまざまなテーマがあり、点描に近い風景画からキュビスム風の静物画まで幅広いです。代表作は、「ロンドン港」。
ロベール・ドローネ「一斉に開いた窓」
(1912年、油彩)

ロベール・ドローネ(Robert Delaunay、1885年-1941年)は、フランスの画家です。抽象絵画の先駆者の一人として知られます。作品は、キュビスムの運動に加わった時期でも、色彩が主要な役割を果たしていました。エッフェル塔のような近代的モチーフを好んで描きました。代表作は、「エッフェル塔」。
アメデオ・モディリアーニ「青い椅子に座るエビュテルヌ嬢」
(1918年、油彩)

アメデオ・モディリアーニ(Amedeo Clemente Modigliani、1884年-1920年)は、イタリアの画家です。エコール・ド・パリの画家の一人です。作品は肖像画と裸婦画がほとんどで、顔と首が長く、目に瞳を描かないことが多いのが特徴です。代表作は、「ジャンヌ・エビュテルヌ」。
ピエール・ボナール「ミルクボール」
(1919年、油彩)

ピエール・ボナール(Pierre Bonnard、1867年-1947年)は、フランスのナビ派の画家です。版画やポスターも多く残しています。作品は平面的で、主要なモチーフが画面の端で切られた構図、暖色を主調にした華やかな色彩が特徴です。代表作は、「逆光の裸婦」。
パウル・クレー「若い女性の冒険」
(1922年、水彩)

パウル・クレー(Paul Klee、1879年-1940年)は、スイス出身のドイツの画家です。ドイツ表現主義やキュビスムの影響を受けつつ、非常に独特な抽象絵画を制作しました。カンディンスキーとともに青騎士のグループを結成し、バウハウスでも教官を務めました。代表作は、「R荘」。
展示されている作品は時期によって異なり、これらが展示されていないこともあります。
あれこれ

テート・モダンの建物は、かつての発電所を改修したものです。発電所は、戦後復興でロンドンの電力不足を解消するために急遽建てられ、1981年に閉鎖されていたものです。1990年代、テート・ギャラリー(現テート・ブリテン)が、この発電所の建物を改造して再利用すると発表し、発電機のあった巨大なタービン・ホールをエントランスホールにするなどの工事が行われ、2000年に開館しました。
本館のボイラー・ハウスは、7階建で、建物の中は巨大な吹き抜けになっています。外壁に面して各階の展示室があります。建物の外観では、かつて煙突であった尖塔が特徴になっています。
メインエントランス、タービン・ホール、ミュージアムショップは0階、テムズ川入口、カフェは1階、展示室は2階、3階、4階にあり、6階はテムズ川を望むレストランになっています。3階には、マーク・ロスコのシーグラム壁画を集めた「ロスコ・ルーム」があります。タービン・ホールは企画展にも使われています。
新館のスイッチ・ハウスは、10階建で、もとは発電所の変電所の部分です。ボイラー・ハウスに合わせてレンガを貼った外観で、レンガは隙間ができるように外壁に貼り付けられていて、隙間から外光が館内に入り、夜は館内の灯りが外へ漏れて光が建物を包み込むようになっています。

館内には、ミュージアムショップ、カフェ、レストランがあります。館内は写真撮影が可能ですが、フラッシュは禁止です。常設展示の入場は無料です。
テート・ブリテンとともに、国立美術館ネットワーク・テートの一部を構成しています。
テート・モダンとテート・ブリテンの間を、テムズ川を行き交う高速船がシャトル運航しています。
テート・モダンは、テムズ川に面した、けっこう高さのある建物なので、眺望は素晴らしいです。最上階に展望テラスがあり、そこから金融街、シティの高層ビル群や、タワー・ブリッジ、ヨーロッパ最高峰の高層ビル、シャードが並ぶ夜景を眺めることができます。シャードは、パリのポンビドゥー・センターや、ニューヨークのホイットニー美術館を手がけた建築家レンゾ・ピアノの設計です。
テート・モダンから、テムズ川対岸のセント・ポール大聖堂まで、テート・モダンと同じ時期に作られたミレニアム・ブリッジを使って、徒歩5分程度で行けます。歩行者専用のこの橋では、タワー・ブリッジを真横から眺められます。
今回はロンドンにあるテート・モダンの見どころをご紹介しました。ではでは。