パリ|国立近代美術館|観ておきたい作品5選

国立近代美術館 アート

こんにちは、すえちゃんです。

国立近代美術館は、パリのポンピドゥー・センターにある、20世紀以降の作品を所蔵する美術館です。シャニック「マルセイユ港の入口」、カンディンスキー「黄・赤・青」といった絵画のほか、彫刻も多くあります。

今回はそんな国立近代美術館の見どころをご紹介します。

 

どんなところ?

国立近代美術館 (Musée National d’Art Moderne) は、フランス・パリの総合文化施設ポンピドゥー・センター内にある、20世紀から21世紀にかけての近現代美術を所蔵する美術館です。約10万点の作品を所蔵し、近現代美術のコレクションとしては、ヨーロッパ最大で、世界でもニューヨーク近代美術館に次いで第2の規模です。

 

観ておきたい作品5選

国立近代美術館のコレクションの中で、おすすめの5作品を厳選しました。

 

ポール・シャニック「マルセイユ港の入口」

(1911年、油彩)

ポール・シャニック「マルセイユ港の入口」
(部分)

 

ポール・シニャック(Paul Victor Jules Signac、1863年-1935年)は、新印象派のフランスの画家です。スーラとともに新印象派の代表的画家です。作品は、点描技法をもとに、筆触もより長く大きくし、暖色が多用されているのが特徴です。代表作は、「サン・トロペ港」。

 

ロベール・ドローネ「パリ市」

(1912年、油彩)

ロベール・ドローネ「パリ市」
(部分)

 

ロベール・ドローネ(Robert Delaunay、1885年-1941年)は、フランスの画家です。抽象絵画の先駆者の一人として知られます。作品は、キュビスムの運動に加わった時期でも、色彩が主要な役割を果たしていました。エッフェル塔のような近代的モチーフを好んで描きました。代表作は、「エッフェル塔」。

 

ワシリー・カンディンスキー「黄・赤・青」

(1925年、油彩)

ワシリー・カンディンスキー「黄・赤・青」
(部分)

 

ワシリー・カンディンスキー(Wassily Wassilyevich Kandinsky、1866年-1944年)は、ロシア出身の画家です。抽象絵画の創始者とされ、ドイツ、フランスでも活躍しました。美術理論家で、ミュンヘンで青騎士グループを結成し、バウハウスでは教官を務めました。代表作は、「即興、渓谷」。

 

ピエール・ボナール「ミモザの見えるル・カンネのアトリエ」

(1939-46年、油彩)

ピエール・ボナール「ミモザの見えるル・カンネのアトリエ」
(部分)

 

ピエール・ボナール(Pierre Bonnard、1867年-1947年)は、フランスのナビ派の画家です。版画やポスターも多く残しています。作品は平面的で、主要なモチーフが画面の端で切られた構図、暖色を主調にした華やかな色彩が特徴です。代表作は、「逆光の裸婦」。

 

ピエト・モンドリアン「ニューヨーク・シティ」

(1942年、油彩)

ピエト・モンドリアン「ニューヨーク・シティ」
(部分)

 

ピエト・モンドリアンは、オランダ出身で、主にパリ、ニューヨークで活動した抽象派の画家です。水平・垂直の直線で分割された画面に赤・青・黄の三原色のみを使った作品が特に有名です。代表作は、「ブロードウェイ・ブギウギ」。

 

展示されている作品は時期によって異なり、これらが展示されていないこともあります。

 

あれこれ

ポンビドゥーセンター

 

国立近代美術館のコレクションは、近代から現代までの美術全般です。フォーヴィスム、キュビスム、抽象派、エコール・ド・パリ、シュルレアリスムから、現代美術までのアーティストの作品が所蔵されています。絵画のほか、彫刻、オブジェの展示も多くあります。

パリにある美術館の中でも、ルーブル美術館、オルセー美術館、国立近代美術館は三大美術館と言われています。そのすみ分けは、ざっくり言って、ルーブル美術館が18世紀までの作品、オルセー美術館は19世紀の作品、国立近代美術館は20世紀からの作品となっています。

国立近代美術館の起源は、1750年に設立されたリュクサンブール美術館まで遡ります。1818年にそのコレクションのうち、没後10年を経た画家の作品はルーブル美術館に移動することになり、リュクサンブール美術館はそれ以外の生存画家の作品を所蔵することとなりました。1886年にリュクサンブール美術館の近くに別館の現代美術館が作られ、コレクションの一部を移動しました。

やがて、リュクサンブール美術館も現代美術館も手狭になり、パリ万国博覧会に合わせて建設する建物にパリ市立近代美術館と国立近代美術館を併設することになりました。1942年、近代美術宮殿として開館し、後にパレ・ド・トーキョーと改名されました。

1974年、国立近代美術館のコレクションのうち、1905年以降の作品をポンピドゥー・センターに移動し、1977年に同センターが開館しました。1870年より前に生まれた後期印象派の画家の作品はパレ・ド・トーキョーに残されていましたが、1986年にオルセー美術館に移動しました。

コレクションは、当初リュクサンブール美術館が所蔵していた作品に、その後、寄贈された作品が加わり、大規模なコレクションが形成されることになりました。絵画、彫刻のほか、写真、映画、デザインなど、多岐にわたるジャンルの作品が集められています。

 

ポンピドゥー・センター

ポンビドゥーセンター

 

国立近代美術館は、ポンピドゥー・センターという公共文化施設の中にあります。ポンピドゥー・センターは、足場に囲まれた倉庫のような建物に色分けされた配管やチューブ状のエスカレーターが外付けされているような奇抜な外観をしています。

建物は、建築家のレンゾ・ピアノ(Renzo Piano)とリチャード・ロジャーズ(Richard George Rogers)の設計によるものです。レンゾ・ピアノは、ニューヨークのホイットニー美術館のデザインもしています。この建物、建設当時は、あまりにも斬新なデザインだったので、賛否両論があったそうです。

ポンビドゥー・センターは、地下から2階までは、多目的スペースになっていて、映画館もあります。2階から4階は公共情報図書館、5階から6階までが国立近代美術館です。

ミュージアムショップ、カフェ、レストランがあります。美術館内は写真撮影が可能ですが、フラッシュは禁止です。

最上階展望台からは、エッフェル塔からモンマルトルの丘まで、市内が見渡せます。隣接の広場には彫刻や池があり、来訪者のいこいの場所になっています。

 

今回はパリにある国立近代美術館の見どころをご紹介しました。ではでは。