倉敷|大原美術館|観ておきたい作品10選

大原美術館 アート

こんにちは。すえちゃんです。

大原美術館は、倉敷市にある、日本最初の私立かつ西洋近代絵画の美術館です。エル・グレコ「受胎告知」、ゴーギャン「かぐわしき大地」といった西洋美術のほか、日本近代絵画、東洋美術のコレクションがあります。

今回はそんな大原美術館の見どころをご紹介します。

 

どんなところ?

大原美術館(Ohara Museum of Art)は、岡山県・倉敷市の倉敷美観地区にある美術館です。西洋美術、近代美術を展示する美術館としては日本最初のものです。西洋美術のほか、日本近代絵画、古代エジプト・中近東美術、中国美術のコレクションがあります。有名作品が多いので西洋美術がどうしても目立ってしまいますが、日本の近代美術も充実しています。

 

観ておきたい作品10選

大原美術館のコレクションの中で、おすすめの10作品を厳選しました。

 

エル・グレコ「受胎告知」

(1599‐1603年、油彩)

エル・グレコ「受胎告知」

エル・グレコ(El Greco、1541年-1614年)は、ギリシア出身の画家です。エル・グレコの名は、イタリア語でギリシア人の意味です。ルネサンス後期のマニエリスムの巨匠として知られ、プラド美術館にはグレコの作品が多数あります。代表作は、「オルガス伯の埋葬」。

 

クロード・モネ「積藁」

(1885年、油彩)

クロード・モネ「積藁」

クロード・モネ(Claude Monet、1840年-1926年)は、フランスの印象派を代表する画家です。鋭い観察力で、絶え間なく変わる風景を再現した作品は、印象派の美学を体現しています。「印象・日の出」は印象派の名前の由来になりました。代表作は、「印象・日の出」。

 

ポール・ゴーギャン「かぐわしき大地」

(1892年、油彩)

ポール・ゴーギャン「かぐわしき大地」

ポール・ゴーギャン(Eugène Henri Paul Gauguin、1848年-1903年)は、フランスの後期印象派の画家です。作品は平面的で哲学的です。株式仲買人からの転向、ゴッホとの共同生活、タヒチ滞在といったエピソードでも知られます。代表作は、「我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこに行くのか」。

 

ジョヴァンニ・セガンティー二「アルプスの真昼」

(1892年、油彩)

ジョヴァンニ・セガンティー二「アルプスの真昼」

ジョヴァンニ・セガンティーニ(Giovanni Segantini、1858年-1899年)は、イタリアの画家です。アルプスの風景をテーマとした絵画を多く残す一方、退廃的なテーマも描いたことから、世紀末芸術とされることもあります。代表作は、「アルプス三部作 生、自然、死」。

 

トゥールーズ・ロートレック「マルトX夫人の肖像、ボルドー」

(1900年、油彩)

トゥールーズ・ロートレック「マルトX夫人の肖像、ボルドー」

トゥールーズ・ロートレック(Henri Marie Raymond de Toulouse-Lautrec-Monfa、1864年-1901年)は、フランスの画家です。ダンスホールや酒場に入り浸り、娼婦や踊り子を描きました。作品にはポスターも多く、ポスターを芸術の域に高めたと言われます。代表作は、「ムーラン・ルージュにて」。

 

クロード・モネ「睡蓮」

(1906年頃、油彩)

クロード・モネ「睡蓮」

 

ポール・シャニック「オーヴェルシーの運河」

(1906年、油彩)

ポール・シャニック「オーヴェルシーの運河」

ポール・シニャック(Paul Victor Jules Signac、1863年-1935年)は、新印象派のフランスの画家です。スーラとともに新印象派の代表的画家です。作品は、点描技法をもとに、筆触もより長く大きくし、暖色が多用されているのが特徴です。代表作は、「サン・トロペ港」。

 

児島虎次郎「和服を着たベルギーの女」

(1911年、油彩)

児島虎次郎「和服を着たベルギーの女」

児島虎次郎(こじまとらじろう、1881年-1929年)は、日本の洋画家です。倉敷の大原家の経済的援助を受け、絵画買い付けのため数度ヨーロッパに渡りました。この時の収集品が後の大原美術館の礎となっています。代表作は、「和服を着たベルギーの女」。

 

オーギュスト・ルノワール「泉による女」

(1914年、油彩)

オーギュスト・ルノワール「泉による女」

オーギュスト・ルノワール(Pierre-Auguste Renoir、1841年-1919年)は、フランスの印象派の画家です。後年は作風が変わり、後期印象派の画家とも言われます。代表作は、「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」。

 

古賀春江「深海の情景」

(1933年、油彩)

古賀春江「深海の情景」

古賀春江(こがはるえ、1895年-1933年)は、日本の洋画家です。日本の初期のシュルレアリスムの代表的な画家です。作品は、しばしば近代的な建築物や機械が描きこまれていて、構成的な画面が特徴です。代表作は、「海」。

展示されている作品は時期によって異なり、これらが展示されていないこともあります。

 

あれこれ

大原美術館

大原美術館は、西洋近代絵画を展示する本館のほか、近代日本絵画や現代美術を展示する分館、工芸館、東洋館で構成されています。本館は神殿のような外観で、工芸館は蔵のような外観です。本館と分館の間には、新渓園という日本庭園があります。館内外には、ロダンの作品をはじめ、いくつもの彫刻が並んでいます。

大原美術館

館内にミュージアムショップがあります。美術館の運営ではありませんが、本館に隣接して、カフェがあります。

JR倉敷駅から徒歩15分程度で、少し距離があります。

大原美術館は、倉敷美観地区にあります。倉敷美観地区は、倉敷市にある街並保存地区・観光地区です。かつて運河であった倉敷川の周辺に、白壁の蔵屋敷、柳並木などがあり、まるで明治の頃のようなレトロな風景で、散策におすすめです。

 

留学中の画家による収集

倉敷美観地区

大原美術館は、倉敷の実業家大原孫三郎が、洋画家児島虎次郎に託して収集した美術作品を展示するため、1930年に開館しました。そもそも美術館自体が数えるほどしかなかった昭和初期に、地方都市の倉敷にこのような美術館が開館したのはすごいことです。

倉敷美観地区

児島虎次郎は、大原孫三郎の援助でヨーロッパへ数度、留学していました。児島が、ヨーロッパへ行く機会のない日本の画家たちのために、西洋絵画の実物を日本へ持ち込む必要性を大原に説いたところ、大原も賛同し、購入については児島に一任しました。大原美術館が所蔵している主な作品の多くは、児島虎次郎がパリで収集したものです。

クロード・モネ「睡蓮」はモネ本人から直接購入したもので、アンリ・マティス「画家の娘、マティス嬢の肖像」もマティス本人から譲ってもらったものだそうです。エル・グレコ「受胎告知」は、画廊で売りに出ていたのを偶然見つけたもので、現在ではこの名画が日本にあることは奇蹟だと言われています。そのほか、トゥールーズ・ロートレック「マルトX夫人の肖像」、ポール・ゴーギャン「かぐわしき大地」も児島の収集品です。

今回は倉敷市にある大原美術館の見どころをご紹介しました。ではでは。