こんにちは。すえちゃんです。
ビクトリア国立美術館は、メルボルンにある、ヨーロッパ絵画を中心に所蔵する美術館です。モネ「ヴェトゥイユ」、ボナール「シエスタ」といった絵画のほか、彫刻、オブジェなど、幅広いコレクションを誇ります。
今回はそんなビクトリア国立美術館の見どころをご紹介します。
どんなところ?
ビクトリア国立美術館(National Gallery of Victoria)は、オーストラリア・メルボルンにある美術館です。オーストラリアでは最も歴史のある美術館です。コレクションは70,000点以上。古代遺跡から、ルネサンス以降のヨーロッパ絵画、現代美術まで、幅広いコレクションを誇ります。絵画のほか、彫刻、美術工芸品、オブジェの展示もあります。コレクションの量もさることながら質も高く、印象派の有名作品もあったりして、観ごたえ十分です。略称はNGV。
観ておきたい作品10選
ビクトリア国立美術館のコレクションの中で、おすすめの10作品を厳選しました。
ヤン・ファン・エイク「読書する聖母子」
(1433年、油彩)
ヤン・ファン・エイク(Jan van Eyck、1395年頃-1441年)は、ベルギーの初期フランドル派の画家です。宮廷画家として活躍しました。初期フランドル派は、ギリシア・ローマ時代の理想化の再現ではなく、自然そのものを正確に観察して絵画に表現しました。代表作は、「アルノルフィーニ夫妻像」。
アルブレヒト・デューラー「メランコリアⅠ」
(1514年、銅版画)
アルブレヒト・デューラー(Albrecht Dürer、1471年-1528年)は、ドイツのルネサンス期の画家です。数多くの版画も手掛けて、精緻な銅版画を残しています。代表作は、「自画像」。
ウィリアム・ターナー「赤いリギ山」
(1842年、水彩ほか)
ウィリアム・ターナー(Joseph Mallord William Turner、1775年-1851年)は、イギリスのロマン主義の画家。作品は、大気と光の効果に主眼がおかれていて、物の形態はあいまいになって、ほとんど抽象画のようになっているものもあります。代表作は、「雨、蒸気、速度」。
クロード・モネ「ヴェトゥイユ」
(1879年、油彩)
クロード・モネ(Claude Monet、1840年-1926年)は、フランスの印象派を代表する画家です。鋭い観察力で、絶え間なく変わる風景を再現した作品は、印象派の美学を体現しています。「印象・日の出」は印象派の名前の由来になりました。代表作は、「印象・日の出」。
ギュスターヴ・カイユボット「ジュヌヴィリエの平原、黄色い野原」
(1884年、油彩)
ギュスターヴ・カイユボット(Gustave Caillebotte、1848年-1894年)は、フランスの画家です。印象派の画家と言われますが、写実主義的な傾向も強いです。絵画収集家で、印象派の作品の収集家、支援者でもありました。代表作は、「パリの通り、雨」。
ポール・セザンヌ「上り坂道」
(1881年、油彩)
ポール・セザンヌ(Paul Cézanne、1839年-1906年)は、フランスの後期印象派の画家です。当初は印象派として活動していましたが、その後、独自の絵画を探求し、20世紀美術に大きな影響を与えました。代表作は、「大水浴図」。
アルフレッド・シスレー「ロワン川とニケーズの斜面、2月の午後」
(1890年、油彩)
アルフレッド・シスレー(Alfred Sisley、1839年-1899年)は、フランス生まれのイギリス人の印象派の画家です。作品の大部分はパリ周辺の風景画です。他の印象派の画家の多くが後に印象派を離れたなかで、シスレーは印象派の技法を保ち続けました。代表作は、「ポール・マルリーの洪水」。
カミーユ・ピサロ「モンマルトル大通り、曇りの朝」
(1897年、油彩)
カミーユ・ピサロ(Camille Pissarro、1830年-1903年)は、フランスの印象派の画家です。作品は、明るい色調のものが多く、自然への敬愛を感じさせます。一時期、新印象派の点描手法を追求しました。代表作は、「赤い屋根、冬の効果」。
ピエール・ボナール「シエスタ」
(1900年、油彩)
ピエール・ボナール(Pierre Bonnard、1867年-1947年)は、フランスのナビ派の画家です。版画やポスターも多く残しています。作品は平面的で、主要なモチーフが画面の端で切られた構図、暖色を主調にした華やかな色彩が特徴です。代表作は、「逆光の裸婦」。
エドヴァルド・ムンク「森へⅡ」
(1915年、木版画)
エドヴァルド・ムンク(Edvard Munch、1863年-1944年)は、ノルウェー出身の画家です。作品は、死と生、愛と裏切り、男と女、生命の神秘などがテーマで、画面には漠然とした不安感が伴っています。代表作は、「叫び」。
展示されている作品は時期によって異なり、これらが展示されていないこともあります。
あれこれ
ビクトリア国立美術館は、1861年設立で、オーストラリアで最も古い美術館です。ビクトリア国立美術館は、サウスバンクにあり、1967年に建築家ロイ・グラウンズ(Roy Grounds)の設計により建てられました。名称が国立となっていますが、州立です。
ビクトリア国立美術館の分館として、イアンポッター・センターがあります。ビクトリア国立美術館の方は、オーストラリア以外の作品を集めた美術館で、イアンポッター・センターの方は、オーストラリアの作品を集めた美術館です。イアンポッター・センターは、すぐ近くのフェデレーションスクエアにあります。
ビクトリア国立美術館の重厚な四角い建物は、噴水のある池に囲まれています。エントランスでは、巨大なガラス窓の表面を常に水がゆるやかに流れていて、館内に入ると滝の内側から外側を眺めるような景色を楽しめます。巨大な吹き抜けには美術館のシンボルとなっている巨大なオブジェがあります。ステンドグラスの天井もあります。
館内には、ミュージアムショップ、カフェ、レストランがあります。館内は写真撮影が可能ですが、フラッシュは禁止です。常設展示の入場は無料です。
ジ・アーツセンターとサウスバンク
ビクトリア国立美術館は、ジ・アーツセンターというアート・コンプレックスの一角を占めます。ジ・アーツセンターは、メルボルンの文化・アートの中核で、ビクトリア国立美術館のほか、ハマーホール、パフォーミングアーツミュージアム、シアターズがあります。
ジ・アーツセンターの西側に広がるヤラ川のサウスバンクは、再開発されたエリアで、川沿いのボードウォーク、サウスバンク・プロムナードには、いくつものオブジェが設置され、多くのショッピングモール、レストラン、カフェが並びます。超高層ビル、ユーレカタワーがあり、88階のユーレカスカイデッキは、南半球最高層の展望台だそうです。展望台には、外に張り出す全面ガラス張りの部屋ジ・エッジというアトラクションもあります。
今回はメルボルンにあるビクトリア国立美術館の見どころをご紹介しました。ではでは。