ミュンヘン|モダン・ピナコテーク|観ておきたい作品5選

モダン・ピナコテーク アート

こんにちは。すえちゃんです。

モダン・ピナコテークは、ミュンヘンにある、現代美術と工業デザインを所蔵する美術館です。キルヒナー「サーカス」、マッケ「緑の少女」といった表現主義の絵画や、デザインの優れた工業製品が展示されています。

今回はそんなモダン・ピナコテークの見どころをご紹介します。

 

どんなところ?

モダン・ピナコテーク(Pinakothek der Moderne) は、ドイツ・ミュンヘンにある、20世紀から21世紀の現代美術、グラフィックアート、建築、デザインを所蔵する美術館です。美術では、ドイツ表現主義の作品が充実しているほか、抽象派などの作品があります。デザインでは自動車、音響機器も展示され、20世紀から21世紀にかけてのあらゆる造形活動の流れをたどることができます。ピナコテークは、ギリシア語で絵画の収蔵所という意味です。

 

観ておきたい作品5選

モダン・ピナコテークのコレクションの中で、おすすめの5作品を厳選しました。

 

ルートヴィヒ・キルヒナー「サーカス」

(1913年、油彩)

ルートヴィヒ・キルヒナー「サーカス」

ルートヴィヒ・キルヒナー(Ernst Ludwig Kirchner、1880年-1938年)は、ドイツの画家です。ドイツ表現主義の代表的画家です。大胆なデフォルメと強烈な原色を特色とする表現技法で描かれた人物は、退廃と不安を感じさせます。代表作は、「街」。

 

ワシリー・カンディンスキー「インプロヴィゼーション、夢」

(1913年、油彩)

ワシリー・カンディンスキー「インプロヴィゼーション、夢」

ワシリー・カンディンスキー(Wassily Wassilyevich Kandinsky、1866年-1944年)は、ロシア出身の画家です。抽象絵画の創始者とされ、ドイツ、フランスでも活躍しました。美術理論家で、ミュンヘンで青騎士グループを結成し、バウハウスでは教官を務めました。代表作は、「即興、渓谷」。

 

アウグスト・マッケ「緑の少女」

(1914年、油彩)

アウグスト・マッケ「緑の少女」

アウグスト・マッケ(August Macke、1887年-1914年)は、ドイツの画家です。ミュンヘンで結成されたドイツ表現主義のグループである青騎士のメンバーです。作品は、単純化された形態と幻想的な色彩を特徴とした独自のものです。代表作は、「緑の少女」。

 

フランツ・マルク「チロル」

(1914年、油彩)

フランツ・マルク「チロル」

フランツ・マルク(Franz Marc、1880年-1916年)は、ドイツの画家です。動物や森をモチーフとして、現実の色彩からかけ離れた鮮やかな色彩にあふれた作品を残しました。ミュンヘンで結成されたドイツ表現主義のグループである青騎士の中心メンバーです。代表作は、「チロル」。

 

マックス・ベックマン「誘惑」

(1936-37年、油彩)

マックス・ベックマン「誘惑」

マックス・ベックマン(Max Beckmann、1884年-1950年)は、ドイツ出身の表現主義の画家です。戦争体験から、アカデミックなスタイルを、歪められた形と空間によるスタイルへと変化させました。代表作は、「夜」。

展示されている作品は時期によって異なり、これらが展示されていないこともあります。

 

あれこれ

モダン・ピナコテーク

モダン・ピナコテークは、現代美術と工業デザインを中心に所蔵している美術館です。表現主義の絵画が展示されている一方、デザインが優れた工業製品も数多く展示されていて、たとえば、トーネットの椅子、ポルシェの車なども展示されています。モダン・ピナコテークは、ミュンヘンにある3つのピナコテークのうちの一つです。ピナコテークとは、絵画の収蔵所という意味です。

3つのピナコテークには、15世紀から18世紀までの作品を集めたアルテ・ピナコテーク、19世紀から20世紀初めまでの作品を集めたノイエ・ピナコテーク、20世紀からの現代美術などを集めたモダン・ピナコテークがあります。

第二次世界大戦までのミュンヘンには、18世紀までの絵画を展示するアルテ・ピナコテーク、19世紀に当時の現代美術を展示するために建てられたノイエ・ピナコテークがすでに存在していました。ミュンヘンでも大戦により美術館が被災しましたが、大戦後、これらの美術館のコレクションは、市内のハウス・デア・クンストで展示されていました。

アルテ・ピナコテーク、ノイエ・ピナコテークの修復が終わって再開館した後、ハウス・デア・クンストには現代美術が展示され、州立現代美術館と言われるようになりました。これを契機に、ミュンヘンに新たな州立現代美術館を建設することが議論され、1994年に資金調達のための財団が設立され、モダン・ピナコテークが2002年に開館しました。

モダン・ピナコテーク

モダン・ピナコテークの建物は、シュテファン・ブラウンフェルス(Stephan Braunfels)の設計によるもので、中央に巨大な吹き抜けがあり、天井から自然光を取り入れています。地下1階にデザイン、1階に建築とグラフィックアート、2階に美術の展示があります。

モダン・ピナコテークは、他のピナコテークと違い、白い壁と広いガラス面、エントランスの円形の吹き抜けなど、建物がスタイリッシュでモダンなデザインです。館内には、ミュージアムショップ、カフェがあります。館内は写真撮影が可能ですが、フラッシュは禁止です。

道路を隔てた西側には、アルテ・ピナコテークがあります。

ミュンヘン旧市街の北側は文教地区になっていて、3つのピナコテークのほか、レンバッハギャラリー、ブラントホルスト美術館、古代彫刻美術館、古代美術博物館があります。

今回はミュンヘンにあるモダン・ピナコテークの見どころをご紹介しました。ではでは。