トロント|オンタリオ美術館|観ておきたい作品10選

オンタリオ美術館 アート

こんにちは。すえちゃんです。

オンタリオ美術館は、トロントにある、ヨーロッパ、カナダ美術を所蔵する美術館です。ピサロ「ポプラと灰色の空」、カーマイケル「オータム・ヒルサイド」といった作品があり、ムーアのコレクションは世界最大級です。

今回はそんなオンタリオ美術館の見どころをご紹介します。

 

どんなところ?

オンタリオ美術館(Art Gallery of Ontario)は、カナダ・トロントにある、カナダでも有数の美術館です。印象派などのヨーロッパ絵画、グループ・オブ・セブンを中心とするカナダ美術、北米先住民族やアジア、オセアニア美術などを所蔵しています。絵画のほか、写真やオブジェの展示もあります。特に、ヘンリー・ムーアの彫刻のコレクションは、世界最大級と言われています。略称はAGO。

 

観ておきたい作品10選

オンタリオ美術館のコレクションの中で、おすすめの10作品を厳選しました。

 

ポール・セザンヌ「森の中」

(1885年頃、油彩)

ポール・セザンヌ「森の中」

ポール・セザンヌ(Paul Cézanne、1839年-1906年)は、フランスの後期印象派の画家です。当初は印象派として活動していましたが、その後、独自の絵画を探求し、20世紀美術に大きな影響を与えました。代表作は、「大水浴図」。

 

カミーユ・ピサロ「ポプラと灰色の空、エラニーの風景」

(1895年、油彩)

カミーユ・ピサロ「ポプラと灰色の空、エラニーの風景」

カミーユ・ピサロ(Camille Pissarro、1830年-1903年)は、フランスの印象派の画家です。作品は、明るい色調のものが多く、自然への敬愛を感じさせます。一時期、新印象派の点描手法を追求しました。代表作は、「赤い屋根」。

 

ヘレン・マクニコル「女の子」

(1912年、油彩) 

ヘレン・マクニコル「女の子」

ヘレン・マクニコル(Helen Galloway McNicoll、1879年-1915年)は、カナダの印象派の画家です。戸外での光あふれる作品が多く、カナダにおける印象派絵画への理解を広めました。代表作は、「女の子」。

 

トム・トムソン「水没した土地」

(1912年、油彩)

トム・トムソン「水没した土地」

トム・トムソン(Thomas John Thomson、1877年-1917年)は、カナダの画家です。カナダ東部の風景画を多く残しました。後にグループ・オブ・セブンとなる仲間と活動していました。代表作は、「ウエスト・ウインド」。

 

トム・トムソン「ウエスト・ウインド」

(1917年、油彩)

トム・トムソン「ウエスト・ウインド」

 

フランクリン・カーマイケル「オータム・ヒルサイド」

(1920年、油彩)

フランクリン・カーマイケル「オータム・ヒルサイド」

フランクリン・カーマイケル(Franklin Carmichael、1890年–1945年)は、カナダの画家です。カナダの自然を鮮やかな色彩で描きました。カナダの風景画家のグループ、グループ・オブ・セブンのメンバーです。代表作は、「オータム・ヒルサイド」。

 

ハーヴェイ・マクドナルド「秋、モントリオール川」

(1920年、油彩)

ハーヴェイ・マクドナルド「秋、モントリオール川」

ハーヴェイ・マクドナルド(James Edward Hervey MacDonald、1873年–1932年)は、カナダの画家です。カナダのさまざまな風景を描いています。カナダの風景画家のグループ、グループ・オブ・セブンのメンバーです。代表作は、「タングルド・ガーデン」。

 

エミリー・カー「インディアン・チャーチ」

(1929年、油彩)

エミリー・カー「インディアン・チャーチ」

エミリー・カー(Emily Carr、1871年-1945年)は、カナダの画家です。カナダ西部の風景や先住民文化に影響を受けた作品が特徴です。カナダ東部のグループ・オブ・セブンとも交流があり、彼らの展示会に招待出品していました。代表作は、「大ガラス」。

 

フランクリン・カーマイケル「光と影」

(1937年、油彩)

フランクリン・カーマイケル「光と影」

 

ヘンリー・ムーアの作品群

ヘンリー・ムーア「ツー・ラージ・フォームズ」

ヘンリー・ムーア(Henry Spencer Moore、1898年-1986年)は、イギリスの彫刻家です。パブリック・アートとして、世界中に設置されているブロンズ製の抽象的なモニュメントで知られています。代表作は、「横たわる像」。

オンタリオ美術館の2階にある、ヘンリー・ムーア・スカルプチャー・センターでは、ヘンリー・ムーアの彫刻が部屋中に展示されていて圧巻です。オンタリオ美術館のヘンリー・ムーアのコレクションは、世界最大級と言われています。

エントランス近くの屋外に、「ツー・ラージ・フォームズ」(1969年、彫刻)が展示されていて、来館者を出迎えてくれます。

展示されている作品は時期によって異なり、これらが展示されていないこともあります。

 

あれこれ

オンタリオ美術館

オンタリオ美術館は、古代から現代までの美術品を80,000点以上所蔵していて、特にカナダ美術では世界最大規模を誇ります。グループ・オブ・セブンなどカナダを代表する画家の作品が多数あり、原住民による作品もあります。ヨーロッパ美術のコレクションも豊富です。そのほか、写真のコレクションは40,000点を超えます。

オンタリオ美術館は、1900年に開館した歴史のある美術館です。美術館の名称は、過去、何度か変更されています。建物は、2008年に大規模なリニューアルが行われ、建築家フランク・ゲーリー(Frank Gehry)の設計による、曲面ガラスと木材を多用した特徴的な外観・インテリアになりました。美術館の広さは、45,000平方メートル以上で、北米でも有数の規模を誇ります。

オンタリオ美術館

オンタリオ美術館は、ダンダス通り側にある2階の木の曲線と大きなガラス窓を組み合わせた廊下、ガレリア・イタリアが、インテリアとしても外観としても特徴的です。館内中央の吹き抜け、ウォーカー・コートにある、木の素材を生かしたらせん階段も見どころの一つです。

館内には、ミュージアムショップ、カフェ、レストランがあります。レストランは、ダンダス通りに面した1階にあり、外からも利用可能です。館内は、一部の作品を除いて、写真撮影が可能ですが、フラッシュは禁止です。

オンタリオ美術館

建物の裏のグランジ公園には、美術館のもとになったジョージア様式の邸宅・グランジがあり、そこにはAGO会員専用のラウンジもあります。グランジ公園を囲むようにして、特徴的な建物のオンタリオ美術デザイン大学があります。

オンタリオ美術館は、地下鉄ヤングーユニバーシティ線のセント・パトリック駅から徒歩5分、ダンダス通りに面したところにあります。

 

グループ・オブ・セブン

ハーヴェイ・マクドナルド「線路と交通」
ハーヴェイ・マクドナルド「線路と交通」 1912年、油彩

オンタリオ美術館は、カナダ美術では世界最大規模を誇りますが、特にグループ・オブ・セブンの作品が充実しています。

グループ・オブ・セブンは、カナダの近代美術で重要な役割を果たしたアーティストのグループです。1920年代に、フランクリン・カーマイケルら7人によって結成され、その後、メンバーが入れ替わりしつつ、1930年代まで続きました。自然の中に入り、カナダの美しい風景を力強いタッチと色彩で描いたのが、彼らの作品の特徴です。

フランクリン・カーマイケル「銀色のもつれ」
フランクリン・カーマイケル「銀色のもつれ」 1921年、油彩

当初のメンバーは、フランクリン・カーマイケル、ローレン・ハリス、ヤング・ジャクソン、フランク・ジョンストン、アーサー・リスマー、ハーヴェイ・マクドナルド、フレデリック・ヴァーレイ。また、彼らに多大な影響を与えたのが、トム・トムソン。

グループ・オブ・セブンの作品のコレクションでは、オンタリオ美術館のほか、トロント郊外にあるマクマイケル・カナディアン・アート・コレクション、オタワにあるカナダ国立美術館が有名です。

オンタリオ美術館では、カナダを代表する画家の一人で、グループ・オブ・セブンとも関わりがあったエミリー・カーの作品も観ることができます。

 

周辺はカナダ最大の繁華街

トロント市庁舎

オンタリオ美術館のあるトロントのダウンタウン南部は、カナダ最大の繁華街です。オンタリオ美術館の周辺には、トロント市庁舎、トロント・イートン・センター、ダンダス・スクエアがあります。

トロント市庁舎は、ふたつのカーブしたビルが向かい合うように建てられている特徴的なデザインです。市庁舎の前のネイザン・フィリップス公園にあるTORONTOのモニュメントは有名です。現在は裁判所として使われている旧市庁舎も、石造りの重厚な建物で一見の価値ありです。

トロント・イートン・センター

トロント・イートン・センターは、巨大なショッピングモールです。北米でも相当の規模の地下街です。ショッピングはもちろんですが、ここのフードコートはお手軽かつ多国籍なので、とってもおすすめです。ダンダス・スクエアは、トロント随一の人が集まるところで、いろいろなイベントが開かれています。

今回はトロントにあるオンタリオ美術館の見どころをご紹介しました。ではでは。